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母で主婦で会社員の中年のもろもろの記録

学童のこと(横浜市)

娘が小学生になってはや9ヶ月が経とうとしています。娘の学校では、1年生の下校時刻はたいてい14時半~15時前ごろ。わたしも夫も会社員なので、日中家が無人の日があります。やはり低学年のうちは、放課後の時間に大人の目が必要かなと思います。

入学前から学童については情報収集していましたが、自治体によって状況が大きく異なるということが分かりました。記事にしておこうと思いながらずるずるともう12月、なんと間もなく2年生…はやい。恐ろしい。

わたし自身も、父母ともに教師で共働き家庭で育ったので、保育園→学童コースだったのですが、わたしが過ごした学童は、留守家庭の子どもだけが過ごす場所でした。いまは「学童」もバリエーションが増えています。

「学童」の法律上の正式名称は「放課後児童健全育成事業」というそうです(児童福祉法第6条)。所管は厚労省で、保育園の延長といった位置付けです。わたしが過ごした学童もそのような趣旨のものでした。

これに対し、「全児童対策事業」というものがあって、こちらは文科省所管です。これについては 明確に定められた法律があるわけではないようですが、留守家庭に限らず、全児童の放課後の居場所を確保しようといった趣旨の事業のようです。

ローカル情報ですが、放課後こどもが過ごす場所について、横浜市の選択肢をまとめておきます。

 

①…「放課後キッズクラブ」と「はまっこふれあいスクール」(全児童対策事業)

横浜市の小学校には、前述の文科省所管「全児童対策事業」に相当する「はまっ子ふれあいスクール」または「放課後キッズクラブ」という施設があり、どの小学校にも、原則敷地内に、どちらか一方があります。放課後は(就労家庭のこどもに限らず)誰でも学校に居ていいよ、という趣旨の施設のようです。ただし運営しているのは学校でも自治体でもなく、各小学校ごとにそれぞれ異なる法人が選定されて行っています。娘の保育園時代のお友だちは、クラス16人が7校の小学校に散らばってしまいましたが、ママたちの話を聞いていると、この運営法人によって質に差があるような気がします。

・放課後キッズクラブ(以下キッズ)

区分1:17時まで利用可, 無料

区分2:19時まで利用可, ¥5,000/月+おやつ代¥100/日, 就労証明書などの提出要

区分1であっても17時以降のスポット利用は可能で、¥800/日+おやつ代¥100/日です(区分1/2とも、保険料として¥500/年の掛金要)。

 

・はまっこふれあいスクール(以下はまっこ)

18時まで利用可,無料。おやつ提供なし

娘の小学校にあるのは「はまっこ」だったのですが、昨年度から「キッズ」になりました。横浜市の方針で、すべての小学校が「キッズ」に一本化されると聞いていましたが、19時まで利用できておやつの提供もある、充実型の「はまっこ」というものがあるようで、一本化するのをやめたのかもしれません。フルタイム勤務の場合、「はまっこ」だと18時までに迎えに行くのは難しいと思いますが、そこがクリアできればどっちでもいいということなのかもしれません。

「キッズ」の区分2や充実型の「はまっこ」は、文科省の「全児童対策事業」と厚労省の「放課後児童健全育成事業(いわゆる「学童」)」を無理やり合体させたようなものです。保育園と幼稚園をくっつけて「こども園」にしたみたいな…。自治体にいわゆる「学童」を運営する十分な予算がないための苦肉の策という感じです。

ただし、キッズにもはまっこにも定員はないため、多くの小学校で過密状態です。当然、いわゆる厚労省の「学童」で推奨されている1人当たりの面積は確保されていません。17時以降は人数が減りますが、夏休みなどの長期休暇中もすごい人数のようで、娘の小学校では、テーブルが足りずにお弁当も床に座って膝に載せて食べることがあるそうです。宿題も床でする子がいると指導員が言っていました。

個人的には、区分1でも経費はかかるのだから、無料とせず¥500/月ぐらい徴収すればよいのではと思います。そうすれば指導員の人数を増やせたり、校庭に連れ出せる日が増えたりするのでは。

 

②…放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)

上記の「はまっこ」や「キッズ」とは別に、いわゆる「学童(厚労省所管)」として、「放課後児童クラブ」というものがあります。

他の多くの自治体には存在する、自治体が直接運営する公設の「学童」が横浜市にはないため、民営の「放課後児童クラブ」がその役割を担っています。各校区ごとに一つ、学校の近隣の建物などを利用して、「キッズ」の区分2よりも手厚い預かり場所として運営されています。利用料は¥17,000~¥20,000/月です。

しかし民営といっても、「放課後児童クラブ」の運営主体はほぼ保護者のようです。もちろん指導員はいますが、たとえば夏休みのサマーキャンプの下見は保護者、会計も保護者、様々なイベント(お祭りやお餅つき、バザーなど)も、保護者が週末集まって企画運営されているようです。これは就労家庭にとってはかなり負担が大きく、疲れて1年ぐらいで辞めてしまったという声をよく聞きます。そしてどこも赤字経営だそうで、自治体の予算配分の歪みを感じます。より金のかかる「放課後児童健全育成事業」ではなく「全児童対策事業」の方に舵を切ったという印象です。横浜市はとにかくお金がないんですよね…。

 

③…①でも②でもない民間事業者が運営する施設

NPO法人や企業などが運営する、習い事のような学童が横浜市には多くあります。おそらく助成金が出ていないのか?料金が比較的高額ですが、かなり手厚い預かりを期待できます。かならず学校の宿題をさせる時間があり、さらに学習塾やスポーツやピアノなどの習い事をさせてくれたり、学校へのお迎えはもちろん、自宅まで送ってくれるサービスや夕食を出してくれるサービスもあったりします。もちろんオプションはすべて有料で、週5日間フルで利用すると7~8万/月の料金になると思います。保育料より高額。

 

我が家の場合:

もともと②は視野に入れておらず、①「キッズ」の区分2と③を組み合わせようと思っていました。幸いわたしも夫も家で仕事できる日があります。

小学校から至近距離に、③に該当する英会話スクールが運営する学童があり、4月から週に2日、ここに預けていました。夫が平日家に居ることが意外と多くなったため「キッズ」の区分を2から1に変更し、10月から英会話学童も週1日に変更しました。

わたしや夫が在宅勤務の日は、娘は授業が終わったらすぐに帰宅させています。2人とも出勤する日は、わたしが時間休やフレックスを駆使してなんとか17時までに迎えに行きます。夫の勤務は非常に不規則なので、週によって月によって予定はまちまちですが。

娘の放課後はけっこう忙しく、学校の宿題、ピアノの練習、家庭学習、平日の習い事もひとつ。定時に退社して娘をピックアップすると、ともに帰宅は19時前になり、これら全てをこなすのは無理です。

宿題を学童で済ませておいてほしいところですが、ひとりでさせるとクオリティが酷く、書取りなどは先生の添削で真っ赤になって返却され、再提出となります。結局宿題が増えてわたしのイライラも倍増。なので漢字プリントなどはわたしの目の前でさせることにしています。

こういうことを割り切れるかどうかで、親の割く時間や労力が変わってくる気がします。わたしにとっての小1の壁とは、こどもの預け先問題よりもこういうことでした。娘が幼児のころは、食事と睡眠と清潔が満たされていればOKと割り切れたのです。児童になって突如、「教育」せねばという焦りにとらわれたというか…なにが正解か分からないので常に自信がない。だから、手を抜いてはいけない、と気負ってしまう。無駄に習い事を増やしたくなったりしてしまうのですね。第一子でひとりっ子で、娘も気の毒ですが、力の抜きどころが分かりません。結果、いま、保育園時代にもまして時間に追われています。

脱線しました。

学童は、保育園ほど至れり尽くせりの場所ではありません。また、こどもは成長しますから、そこまで手厚いケアも必要としないのかもしれません。国の方針としても、質より量、とにかくこどもの居場所は確保するから母親も働きたまえ、ということなのだと思います。横浜市の学童の状況は決してよくはないですが、狭かろうが詰め込まれようが、とにかく預ける場所が必要という家庭だってあるはずなので、一概に文句ばかりもいえません。

我が家の場合は、勤務形態にある程度融通がきくために、結果的にあまり学童を利用していません。近ごろは仲の良いお友だちができて、学童よりもお友だちと遊びたいと言いだしたり。2年生になったら鍵を持たせてみようかと思案中ですが、遊びに出かけるときのルールなどがちゃんと機能するのか悩ましいところです。鍵と電話はセットになると思います。

以上、横浜市の放課後事情についてでした。