sprout

母で主婦で会社員の中年のもろもろの記録

採用の男女比をきいて思ったこと

わたしが勤めている会社では、女性社員の方が男性社員よりも若干多いのですが、来春の新卒新入社員の男:女の比率が2:5だと聞いてちょっと驚きました。40人と100人ぐらい。薬学部卒を多く採用することもあって毎年女性の方が多いのですが、来春はとくに顕著なようです。

いま弊社ではママが増えて大変なことになっていて、上層部がその解決策を見出しているようにはとても見えないのに、どういうつもりなんだろうと思っています。が、それはまた別の問題で、今回ふと考えたのは別のことです。

採用の現場では「女性の方が優秀」「女子の方がしっかりしてる」ということばがよく聞かれます。人事担当者も、面接官となる現場の管理職も、口を揃えてそう言う。よその会社の方からも、公務員からも、似たような話は聞いたことがある。もちろん仕事の内容によって向き不向きがあると思いますが(腕力体力が要求される仕事は男性が有利とか)、採用時、女性>男性という評価は、もしかして世間では共通認識なのでしょうか。

わたしが働く業界の特定の職種に限ると、女性の比率が高いのはどの会社も同じで、海外ではより顕著です。わたしは今は、入社者への専門教育を担当する部署にいるので、毎春フレッシュな若者たちと接する機会がありますが、優秀ということばが適当かどうかはともかく、女子の方がバランスがよいというか、成熟の度合いが高いという印象はあります。彼らは専門職に就くのですが、これは業務でも大切な要素です。

これは俗に言う、男性の方が精神的に幼いとか、そういった特性のせいなのだろうか。弊社の新卒さんは24歳が最多ですが、だとしたら、どの辺りの年齢時点で差がなくなっていくのだろうか、というようなことを、ちかごろつらつら考えたりします。昇進スピードや管理職の比率は、弊社も圧倒的に男性>女性ですが、これは、大多数の女性が出産後にキャリアを停滞させることが大きな要因で、能力差の結果ではありません。

わたしは女ですが、自分より遥かに仕事ができる男性もいればできない男性もいる、というのが日常的な実感です。しかしそれは女性も同じことで、男女で能力を比較するという発想はこれまであまりなかった。強いて言うなら、われわれの業界の特定の職種には女子が向いてるね、という程度の感想しか持っていませんでした。でもこのたびの採用比率を聞いて、へえ…と思ったので書き留めておこうと思いました。

そして、東京医大の入試問題が思い出されてこのような記事を見つけて、面白いなと思いました。UCLA助教授・津川友介さんという医師のブログです。「女性医師のほうが、男性医師よりも患者の死亡率・再入院率が低いことが明らかに」という記事で、このように述べられています。

過去の研究において、女性医師の方がガイドライン遵守率が高く、患者とより良好なコミュニケーションを取り、より専門家にコンサルテーションすることなどが報告されています。このように男性医師と女性医師の間での診療パターンの違いが、患者の予後の差につながった可能性があるのではないかと考えられます。

津川友介医師ブログ「医療政策学×医療経済学

全然知りませんでしたが、上記の記事で紹介されている研究論文は、2017年に「世界で大きな影響を与えた科学論文」の3位に選ばれたということで話題となったようです。「ガイドラインの遵守率が高く」「より専門家にコンサルテーションする」というところ、深く頷きました。上記は医師の話ですが、同様の傾向はわたしの職場でもみられる気がします。

とりとめのない感じになってきたので終わります。年が明けると新卒さんを迎える準備が本格的に始まります。1年経つのは早いですね…。