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母で主婦で会社員の中年のもろもろの記録

AVXS-101

昨年、世界一高額だと話題になった医薬品について、記事が出ていました。2020年2月26日の薬事・食品衛生審議会 (再生医療等製品・生物由来技術部会)で審議予定だと。気になっていた薬だったのでメモを残しておきます。

 

開発コード:AVXS-101

一般名:onasemnogene abeparvovec(オナセムノゲン・アベパルボベク)

製品名:ZOLGENSMA(ゾルゲンスマ)

製造販売元:ノバルティス・ファーマ(株)

薬価(米):$212万5000(日本円で約2億3,200万円・日本では未収載)

 

この医薬品は、スイス・ノバルティス社が米AveXis社の買収で獲得した、SMA(脊髄性筋萎縮症)という遺伝子疾患に対する治療薬です。1回の注射で治療が完了します。

日本では、来週の薬食審を通過すれば、3月に承認、5月に薬価収載、のスケジュールとなるようです。

開発段階では、米国で画期的治療薬、欧州でPRIMEにそれぞれ指定され、日本では2018年3月に、先駆け審査指定制度(再生医療等製品版)の対象となっていました。日本では同年11月に申請され、その後、米欧でも申請が受理されました。

日本では、申請から承認まで、通常の医薬品の審査期間は12ヶ月程度。「先駆け審査指定品目」の審査期間は通常6ヵ月。この制度を見込んで日本で先に申請されたのだと思います。が、当初、19年前半に世界に先駆けて日本で承認されるとみられていたものの、19年5月に米国で先に承認され、日欧では現在まで承認に至っておらず。PMDAの審査が長引いたのは以下のような背景と推測されています。

・新たな遺伝子治療薬で前例がない

・製造工程が複雑で確認に手間がかかる

・米FDA(食品医薬品局)が19年8月に公表した動物実験データ操作問題を調べる必要あり

ノバルティスは「対応に時間を要しており、当初の見込みより遅れている」として、20年上半期の承認取得を目指す姿勢を示しているとのこと。

なんといっても薬価が気になります。日本の薬価では現在のところ、ノバルティスのキムリアが最高額で、3349万3407円。オプジーボの薬価が騒がれたのがもはや遠い過去に思えます。5月を待ちたいと思います。