sprout

母で主婦で会社員の中年のもろもろの記録

よんだ

すっかり放置しているここですが、4ヶ月ぶりに秘密の最新話を…薪さんを浴びましたので一言吐き出しておきます。というか前回の記事もそうでした。なんのブログだっけここ…

長かったー待ったよ!薪さん!!

安定の清水節でした。後味の悪さと切なさで読後は「…」でした。でもまあこれが秘密ですから…。最後、幹子ちゃんの横顔のコマと母娘笑顔で抱き合うコマで、ああああ、となります。さすがです。

展開に意外性はないのですが、冒頭から無駄がなくて、夢でしか、で綺麗に纏められて、53頁。清水先生の短編中編やっぱりいいです。長編も読みたいですけどね。

それはそれとして青薪も鈴薪もちゃんと盛り込まれています。ミステリだけでは秘密じゃないんですよね。もはやファンサービスなのかもと思ったりします。

鈴木の悪夢と生きる薪さん。青木の嗅覚に無言になりつつ微笑んでかわす薪さん。地獄を共有しながら距離は詰められないんですよ…この薪さんは青木がどんなに手を尽くして口説いても絶対に落ちない感じがします。そんな孤高の薪剛も大好物ですが、ストイックな人ほど一瞬の隙をみたいものですよね…。「もうダメだ鈴木」→「大丈夫だ鈴木」にアップデートされてしまいました。強いけどそんな生き方は辛いです。青木とわたしが。


ところで、今回のお母さんも、秘密ではあるあるの嫌な感じです。でも最近、子に無条件の愛情を注ぐのが親 という価値観がそもそも集団願望かもなあという気がしていて、お母さんでもある清水先生に妙なシンパシーを感じたのでした。

小さいものを可愛いと感じる心や愛着は後天的に刷り込まれるもので、そうでない人に傷ついたり怒りを感じるのはお門違いかもしれません。虐待は罪だけど愛情を持っていないことは断罪できません。母性は獲得形質ですからね…。

そう考えると子どもの愛着の行き場のなさが辛いのですが、これもまた刷り込みなのかもしれません。

たとえば特定の大人が子どもを育てないような社会ではどうなんでしょう。そんな民族がないとはいえず、そこでは愛着を知らずに生きることは不幸ではないかも。スキンシップでオキシトシンが分泌されるというのも、生育環境によっては該当しないのかも。

そんなことをつらつら考えました。でもですよ、そうして身につけてしまった情動や道徳に翻弄される人間が、清水先生の漫画ではほんとに愛おしく切なく迫ってくるんですよ…やっぱりすごいですね。