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母で主婦で会社員の中年のもろもろの記録

学童のこと(横浜市)

娘が小学生になってはや9ヶ月が経とうとしています。娘の学校では、1年生の下校時刻はたいてい14時半~15時前ごろ。わたしも夫も会社員なので、日中家が無人の日があります。やはり低学年のうちは、放課後の時間に大人の目が必要かなと思います。

入学前から学童については情報収集していましたが、自治体によって状況が大きく異なるということが分かりました。記事にしておこうと思いながらずるずるともう12月、なんと間もなく2年生…はやい。恐ろしい。

わたし自身も、父母ともに教師で共働き家庭で育ったので、保育園→学童コースだったのですが、わたしが過ごした学童は、留守家庭の子どもだけが過ごす場所でした。いまは「学童」もバリエーションが増えています。

「学童」の法律上の正式名称は「放課後児童健全育成事業」というそうです(児童福祉法第6条)。所管は厚労省で、保育園の延長といった位置付けです。わたしが過ごした学童もそのような趣旨のものでした。

これに対し、「全児童対策事業」というものがあって、こちらは文科省所管です。これについては 明確に定められた法律があるわけではないようですが、留守家庭に限らず、全児童の放課後の居場所を確保しようといった趣旨の事業のようです。

ローカル情報ですが、放課後こどもが過ごす場所について、横浜市の選択肢をまとめておきます。

 

①…「放課後キッズクラブ」と「はまっこふれあいスクール」(全児童対策事業)

横浜市の小学校には、前述の文科省所管「全児童対策事業」に相当する「はまっ子ふれあいスクール」または「放課後キッズクラブ」という施設があり、どの小学校にも、原則敷地内に、どちらか一方があります。放課後は(就労家庭のこどもに限らず)誰でも学校に居ていいよ、という趣旨の施設のようです。ただし運営しているのは学校でも自治体でもなく、各小学校ごとにそれぞれ異なる法人が選定されて行っています。娘の保育園時代のお友だちは、クラス16人が7校の小学校に散らばってしまいましたが、ママたちの話を聞いていると、この運営法人によって質に差があるような気がします。

・放課後キッズクラブ(以下キッズ)

区分1:17時まで利用可, 無料

区分2:19時まで利用可, ¥5,000/月+おやつ代¥100/日, 就労証明書などの提出要

区分1であっても17時以降のスポット利用は可能で、¥800/日+おやつ代¥100/日です(区分1/2とも、保険料として¥500/年の掛金要)。

 

・はまっこふれあいスクール(以下はまっこ)

18時まで利用可,無料。おやつ提供なし

娘の小学校にあるのは「はまっこ」だったのですが、昨年度から「キッズ」になりました。横浜市の方針で、すべての小学校が「キッズ」に一本化されると聞いていましたが、19時まで利用できておやつの提供もある、充実型の「はまっこ」というものがあるようで、一本化するのをやめたのかもしれません。フルタイム勤務の場合、「はまっこ」だと18時までに迎えに行くのは難しいと思いますが、そこがクリアできればどっちでもいいということなのかもしれません。

「キッズ」の区分2や充実型の「はまっこ」は、文科省の「全児童対策事業」と厚労省の「放課後児童健全育成事業(いわゆる「学童」)」を無理やり合体させたようなものです。保育園と幼稚園をくっつけて「こども園」にしたみたいな…。自治体にいわゆる「学童」を運営する十分な予算がないための苦肉の策という感じです。

ただし、キッズにもはまっこにも定員はないため、多くの小学校で過密状態です。当然、いわゆる厚労省の「学童」で推奨されている1人当たりの面積は確保されていません。17時以降は人数が減りますが、夏休みなどの長期休暇中もすごい人数のようで、娘の小学校では、テーブルが足りずにお弁当も床に座って膝に載せて食べることがあるそうです。宿題も床でする子がいると指導員が言っていました。

個人的には、区分1でも経費はかかるのだから、無料とせず¥500/月ぐらい徴収すればよいのではと思います。そうすれば指導員の人数を増やせたり、校庭に連れ出せる日が増えたりするのでは。

 

②…放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業)

上記の「はまっこ」や「キッズ」とは別に、いわゆる「学童(厚労省所管)」として、「放課後児童クラブ」というものがあります。

他の多くの自治体には存在する、自治体が直接運営する公設の「学童」が横浜市にはないため、民営の「放課後児童クラブ」がその役割を担っています。各校区ごとに一つ、学校の近隣の建物などを利用して、「キッズ」の区分2よりも手厚い預かり場所として運営されています。利用料は¥17,000~¥20,000/月です。

しかし民営といっても、「放課後児童クラブ」の運営主体はほぼ保護者のようです。もちろん指導員はいますが、たとえば夏休みのサマーキャンプの下見は保護者、会計も保護者、様々なイベント(お祭りやお餅つき、バザーなど)も、保護者が週末集まって企画運営されているようです。これは就労家庭にとってはかなり負担が大きく、疲れて1年ぐらいで辞めてしまったという声をよく聞きます。そしてどこも赤字経営だそうで、自治体の予算配分の歪みを感じます。より金のかかる「放課後児童健全育成事業」ではなく「全児童対策事業」の方に舵を切ったという印象です。横浜市はとにかくお金がないんですよね…。

 

③…①でも②でもない民間事業者が運営する施設

NPO法人や企業などが運営する、習い事のような学童が横浜市には多くあります。おそらく助成金が出ていないのか?料金が比較的高額ですが、かなり手厚い預かりを期待できます。かならず学校の宿題をさせる時間があり、さらに学習塾やスポーツやピアノなどの習い事をさせてくれたり、学校へのお迎えはもちろん、自宅まで送ってくれるサービスや夕食を出してくれるサービスもあったりします。もちろんオプションはすべて有料で、週5日間フルで利用すると7~8万/月の料金になると思います。保育料より高額。

 

我が家の場合:

もともと②は視野に入れておらず、①「キッズ」の区分2と③を組み合わせようと思っていました。幸いわたしも夫も家で仕事できる日があります。

小学校から至近距離に、③に該当する英会話スクールが運営する学童があり、4月から週に2日、ここに預けていました。夫が平日家に居ることが意外と多くなったため「キッズ」の区分を2から1に変更し、10月から英会話学童も週1日に変更しました。

わたしや夫が在宅勤務の日は、娘は授業が終わったらすぐに帰宅させています。2人とも出勤する日は、わたしが時間休やフレックスを駆使してなんとか17時までに迎えに行きます。夫の勤務は非常に不規則なので、週によって月によって予定はまちまちですが。

娘の放課後はけっこう忙しく、学校の宿題、ピアノの練習、家庭学習、平日の習い事もひとつ。定時に退社して娘をピックアップすると、ともに帰宅は19時前になり、これら全てをこなすのは無理です。

宿題を学童で済ませておいてほしいところですが、ひとりでさせるとクオリティが酷く、書取りなどは先生の添削で真っ赤になって返却され、再提出となります。結局宿題が増えてわたしのイライラも倍増。なので漢字プリントなどはわたしの目の前でさせることにしています。

こういうことを割り切れるかどうかで、親の割く時間や労力が変わってくる気がします。わたしにとっての小1の壁とは、こどもの預け先問題よりもこういうことでした。娘が幼児のころは、食事と睡眠と清潔が満たされていればOKと割り切れたのです。児童になって突如、「教育」せねばという焦りにとらわれたというか…なにが正解か分からないので常に自信がない。だから、手を抜いてはいけない、と気負ってしまう。無駄に習い事を増やしたくなったりしてしまうのですね。第一子でひとりっ子で、娘も気の毒ですが、力の抜きどころが分かりません。結果、いま、保育園時代にもまして時間に追われています。

脱線しました。

学童は、保育園ほど至れり尽くせりの場所ではありません。また、こどもは成長しますから、そこまで手厚いケアも必要としないのかもしれません。国の方針としても、質より量、とにかくこどもの居場所は確保するから母親も働きたまえ、ということなのだと思います。横浜市の学童の状況は決してよくはないですが、狭かろうが詰め込まれようが、とにかく預ける場所が必要という家庭だってあるはずなので、一概に文句ばかりもいえません。

我が家の場合は、勤務形態にある程度融通がきくために、結果的にあまり学童を利用していません。近ごろは仲の良いお友だちができて、学童よりもお友だちと遊びたいと言いだしたり。2年生になったら鍵を持たせてみようかと思案中ですが、遊びに出かけるときのルールなどがちゃんと機能するのか悩ましいところです。鍵と電話はセットになると思います。

以上、横浜市の放課後事情についてでした。

科警研

f:id:xxchihayaxx:20191208233953j:plain先日、こちらセミナーに行ってきました。公務研究セミナー人事院が取りまとめていて、各省庁が同様の説明会を開催しています。参加者として国家公務員を志す大学院生及び大学生を想定しています。公務員試験を視野に入れたことが一度もなかったので知りませんでしたが、来年の春受験する学生たちが、この時期に動いているのでしょう。
わたしは学生でも公務員でもない中年の会社員ですが、マニアックな好奇心からぜひ話を聞いてみたく、当日の朝、念のため科警研に電話して、「参加者は学生に限定していない」ことを確認しました。
せっかく足を運んだので、記録を残しておこうと思って記事にします。

前半30分程度、科警研の組織や業務内容のざっくりした紹介を、研究職ではない事務方の職員がされました。この方は鹿児島県警から出向中という50代ぐらいの警察官でした。単身赴任とのことでした。

後半は、爆発研究室所属の採用3年目の男性研究員が、ご自身の業務内容や研究の特徴、試験や官庁訪問経験談など、もう少し突っ込んだ話をされました。

会議室は広く、詰め込めば100名程度は入りそうでしたが、参加人数はわたしを含め16名でした。すくなっと思いました。リクルートスーツぽい方が大半でしたが、私服の方もいました。わたしは目立たないよう黒スーツでおとなしくしておりました。

以下、科警研のHPやwikiにある情報は割愛し、メモと記憶をたよりに箇条書きで紹介します。 わたしは書くのが遅いので、PCでタイプしながら聴きましたが、誤記や不正確な情報が含まれている可能性があることをご了承ください。

 

警察管から*********
科警研職員は127名。うち、108(107)名が研究者。うち64(66)名が学位(博士)を取得している。
(注:人数は、事務方警察官と研究員のスライドで若干の誤差があったため併記しています。()が研究員が示した数字です。)

◆学位をもつ職員の8割が採用後に学位を取得。様々なケース(大学週2で通学・夕方から通学・論文のみなど)があり柔軟に対応している

◆今年、法科学第二部に知能工学研究室を新設⇒研究室の数は24に
⇒業務の例) 邦人拘束時の画像の解析など(捏造画像ではないかの鑑定など)
(注:科学警察研究所の各部の内部組織に関する規則(2019/4/1交付)より抜粋
   知能工学研究室においては、次に掲げる事務をつかさどる。
   一 犯罪の捜査に関連する情報工学及び画像工学の研究及び実験に関すること。
   二 情報工学及び画像工学を応用する鑑定及び検査に関すること。)

科警研の仕事
・研究
 ⇒特別研究(予算規模数千万):2課題, 経常研究:60課題
 ⇒科研費(文科省)による研究:52課題, 大学共同研究:63課題 
 ⇒特許申請は年間数件
 ⇒6割が研究員自ら立案する研究課題・4割が現場警察からの要請研究
・鑑定/調査(平成30年度は約2,000件)
 ⇒例)サリン, シンドラー社エレベータ, シリア邦人殺害事件声の鑑定, 京都アニメーション(現地に火災研究室の職員)
・研修/指導
 ⇒全国の科捜研職員への研修:50課題約700人

◆施設(柏)について
⇒食堂がよい(注:警察官言:単身赴任なので一日の全エネルギーをここで摂取だそうです)
⇒図書室の専門書7万冊・図書購入費年間予算:3,800万

◆採用後は研究室の異動はほぼないが、兼務または近似の研究内容の室へ希望して移るなどはあり得る

キャリアパス
⇒各都道府県の科捜研に出向する場合は所長職
科警研に戻ると室長→部長→副所長まで出世は可能(注:wikiでは所長は技官とあります。別枠のようです。法医学が専門の医師が歴任されている様子?)

◆女性
⇒20名,部長職2名。歓迎。

◆付属鑑定所ではDNAと硬貨の鑑定を集中的に行う。研究室員が数年間付属鑑定所で勤務する。

◆研究対象がレア
⇒被疑者の情報に触れられる(人文系)
⇒危険物を対象とした研究が可能

 

3年目研究職員から*********
法科学第二部_爆発研究室_3年目(大学時の専攻は化学(ナノテク・材料化学)・男性・出身大学不明。ほのぼのした雰囲気の方でした。)

◆爆発研究室の紹介・業務内容
⇒「爆発」(事件性のある)という現象に関連することはすべて扱う
⇒爆発事故 事故現場での調査と原因究明
⇒爆発物使用事故…爆発前)処理に関する助言 ⇒爆発後)鑑定
⇒現場に出向く…・海外の爆発事故、事件に邦人が巻き込まれたケースなどに科警研職員が出向くことがある。試料が送付されてくることもある。
化学分析機械
野外実験
破片速度度計測
爆風圧計測

◆国家公務員総合職試験
⇒M2のとき、化学・生物・薬学で落ちた(自分の専攻に合致した区分を選択しないとダメ)
⇒D1のとき工学で合格

官庁訪問
⇒D1;総務省(?)で研究職の方が向いているのではと言われた
⇒D2;厚労省(?)で研究職の方が向いているのではと言われた⇒科警研第一クール3日目に訪問、面接で研究職向きだと自分でも思った

◆学位(この人の場合)
博士2年で採用が決まり、採用後しばらくは仕事に集中したかったので半年休学し、博士3年目で論文書いて学位取得。

科警研の特徴
⇒一室あたり3~4名。若いうちから責任ある仕事ができる
⇒施設が充実、特殊実験施設・装置(分析装置・PC)など足りないことがない
⇒転勤がないが出張はある(注:彼はあちこち行きたかったそうだ)
⇒大学時の専門にとらわれなくてよい
⇒採用後でも(室にもよるが)学位取得を後押してくれる(彼は博士2年まで大学にいたのでもったいないと推奨されたとのこと)。
⇒レクが多い。職員同士交流もある。参加しない人もいる。
⇒学会では研究者と、研修では科捜研の研究員と、鑑定では警察官と接点があり色々な人と接点がある
⇒専門家になるため日々勉強が必要。大学と違ってその分野まるごと(爆発研究室なら爆発に関することはなんでも)なので大変ではある
⇒色々な立場が要求される(公務員・警察職員・研究者・鑑定員)
⇒自分のペースで仕事ができる。机がでかくて(L字)パーテーションがあり自分のスペース
⇒体育祭・文化祭などあり
⇒大学などに出張あり

◆研修
⇒科捜研職員への教養
⇒警察官への教養

◆研究
⇒2-3年の研究計画、研究テーマは比較的自由
⇒専門知識は入所してから学べばよい(大学時専門はナノテクだったが今は違うことしてる)。基礎から勉強できる。
⇒成果は学会発表するが、ノルマはない。発表しなくても情報収集で行かせてもらえる。1年目から学会発表する人もいる。
⇒研究成果が科捜研の研修に取り入れられることもある
⇒予算は科研費の外部資金に応募することもできる
⇒研究職なので自由はある。大学時代とあまり変わらない
⇒業務の構成は研究:研修:鑑定=4割:4割:1割(研究室による。研修をあまり持っていない室もある)
⇒3月に所内の成果発表がある
⇒月1でゼミ、年1ぐらいであたる

◆定時は9:30-18:15、12:00-13:00昼、フレックスの人もいる。研究職の服装は自由。

 

質疑*********

※採用実績※

◆30年度:2名
⇒化学第三 化学生物薬学
情報科学第三 工学

◆31年度:4名
⇒機械 工学
⇒化学第二 化学生物薬学
情報科学第一 人間科学
⇒交通科学 工学

◆令和2年:解禁日は3/1だがほぼ決まっている。
(注:セミナーで言うぐらいなので極秘というわけではないと思いますが、人数を知りたい方はコメントなどでお知らせください。)

*********

レポはおおかたこんなところです。総合職の試験区分をメモしておきます(数字は来年度採用予定数)。科警研の採用は、工学/化学・生物・薬学/数理科学・物理・地球科学/人間科学 ぐらいかと思われます。
・行政(院卒区分)60 
・政治・国際(大卒区分) 30
・法律(大卒区分) 160
・経済(大卒区分) 65
・人間科学 30
・工学 170
・数理科学・物理・地球科学 25
・化学・生物・薬学 40
・農業科学・水産 55
・農業農村工学 20
・森林・自然環境 30

 

雑記と感想********* 

このセミナー情報を知ったのは1週間ほど前でしたが、参加を思いたったのは当日の朝です。行きたいなーとは思っていましたが、平日だし、学生対象だろうし、本気で計画たててたわけではなかった。が、当日の朝、娘を小学校に送り出してから急に気が変わりました。柏は遠いが霞ヶ関なら1時間弱だし、この先合同庁舎に入館する機会もないであろうと。

月曜は在宅勤務にしていますが、娘の帰宅時刻を考えると、行くなら初回(10:15~)しか無理なので、慌てて身支度してスーツ着て電車に飛び乗ってから会社に午前休の連絡を入れました。

霞が関といえば、まだ大阪で働いていた20代のころ、PMDAの適合性書面調査というもののために、出張で新霞が関ビルに3日間籠りました。それ以来全く縁のない場所です。

霞ヶ関駅と合同庁舎2号館は地下でも直結しており、3A改札を出てすぐのビル入口にセキュリティゲートがあります。ここは警備員3人体制でした。ここで、「入館者受付票」に、訪問先省庁や目的、自身の氏名や住所を記入し、身分証を提示のうえ、セキュリティカードを借りてゲートを通らねばなりません。「事前登録」というものを行っていない場合、警備のおじさんが訪問先に電話し、1件ずつ確認を取ったうえでカードが手渡されます。時間帯によっては相当な列ができることでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
わたしはもちろん「事前登録」をしていませんでしたが、部外者に公開するセミナーなどの情報は警備に共有されているようで、警備から担当者への簡単な電話ですんなり入れました。1Fロビーでセミナーの案内を掲げた女性が立っていて、すぐに別の若い男性が来られ案内していただけました。
ちなみに、警察庁は中央合同庁舎2号館の一番上から4フロア、16-20Fです。もしかして入れるかも、とかすかに期待していましたが、残念ながらセミナー会場は地下会議室でした。上記ページにも記載のとおり、警察庁フロアへ入るには、さらに2Fのセキュリティゲートを通る必要があります。この受付にも警備員が2名ほどいました(セミナー後見に行った)。

さて、およそ90分のセミナーを聞いていて、研究職としてはたいへん恵まれた職場であろうと感じました。
理系の院生が民間企業に就職する場合、研究職であっても、それまでのような研究が続けられるかというと難しいと思います。大学に残っても、よほど優秀でない限り待遇はバイト並というのがザラな印象です。
安定した公務員の待遇で、比較的自由度の高い研究を続けられる、というのは、研究職志望の学生さんにはよい話ではないかと。もちろん大学時の研究がそのままできるわけではなく、警察や社会に貢献することを最終目的とする研究ということになるのでしょう。それもまた、大きな意義が感じられてよいとわたしは思いました。
当然ながら国家総合職試験を突破することが大前提ですが、事務系の区分と違って、官庁訪問で出身大学を気にする空気はなさそう。警察庁などは毎年15名程度の入庁者のうち過半数が東大法出身なので、その他というだけで肩身が狭そうですし、出世レースにも影響しそうですが、研究機関はそんなこと気にしないのではないでしょうか。
 
以上、レポートおわり。

北村滋氏が気になる

ちかごろ、役人、官僚に異常な好奇心を寄せているわたしです。単にミーハーなだけです。唐突ですが、今年9月に国家安全保障局長・内閣特別顧問に就任された、北村滋さんという方が気になります。この方は警察庁出身の官僚です。

警察って階級制度が明瞭なので、人事がシステマチックで合理的です。警視総監や長官といったポストもテンポよく1~2年で入れ替わっていきますが、この方は7年間も内閣情報官(内閣情報調査室の長)を務められたようです。この職は指定職8号だそうで、これは事務次官警察庁長官と同等です。

事務次官も、任期は慣例的に1〜2年だそうなので、7年と聞くとびっくりします。内調のことをよく知りませんが、できる人なのでしょうね。

首相との面会回数は官房長官を上回るとの説もあり、安倍首相の懐刀と呼ばれているそうな。長期政権の影にこの人あり、なのかもしれません。

経歴をみると、入庁3年目でフランスに留学されています。英語はもとよりフランス語も抜群で、メモを取る際「早く書ける」という理由で日本語よりも英語やフランス語を多用するんだそうです。現職は外交を担う役職だし、前職も海外の諜報機関の長のカウンターパートとなるポストなので、海外経験や語学は必要となる条件なのかもしれません。

執筆もたくさんされています。優秀な人、仕事ができる人は好きです。動向を気にしてみようと思っております。

 

追記***

長期政権ですごいしょうもないことを思い出しました。昔、第1次安倍改造内閣が31日の短命に終わったすぐ後ぐらいのことだと思います。

当時まだ大阪に住んでいたわたしが、FM802という大阪のラジオ局の番組をなんとなく聴いていたときのこと。わたしは山添まりさんという女性DJが結構好きで、その日、彼女が担当されていた番組のチャットルームのお題が、「省略語」だったのです、たしか。

自作の略語だったか、流行らせたい略語だったか…記憶が定かではありませんが、番組の最中、「アベる」という書込みがありました。「意味は、すぐやめること だそうです」と、山添さんが紹介されて、わたしは思わず吹いてしまって、うまいな、と思いました。

山添さんもおそらく同じノリでウケてらして、楽しい雰囲気のまま曲がOAされたあと、改まった口調で、「さきほどの発言は不適切であった」旨の謝罪が入りました。お、おお、そうか…と思いました。

あれから10年以上経ちましたが、安倍改造内閣が発足するたびに、「アベる」を思い出してフッてなると同時に、安倍さんがこれほど長く首相を務められていることに、なんか変な感慨が湧きます…。

すみません、どうでもいいことほどよく覚えているもので、ちょっと残しておきたかったw

カトリックのミサ

ローマ教皇が来日されていますね。

実はわたしは一応カトリック教徒で、一応というのは、洗礼を受けて名簿に載っているだけの幽霊信徒とでもいうようなものだからで、ここ10年以上、教会には年に一度、クリスマスミサにしか足を運んでいません。

今回の来日のこともまったく知りませんでした。カトリック中央協議会は2ヶ月以上前にアナウンスしていたので、当然教会ではお知らせがあったことでしょう。

明日の東京ドームのミサはYouTubeでLive配信されるそうですが、カトリックのミサは、参加したことのない方には独特に映るのではないかと思います。日本ではあまり触れる機会がないと思うので、興味本位にちらっと観てみる人もいるかもしれませんよね。

教皇ミサは事前申込み制の抽選で、日本で教皇のミサに与るなど一生に一度でしょうから、カトリック信徒にとっては垂涎ものではないかと思います。でも、信者でない方が興味本位で応募して当選することもあるかもと、ふと思いました(ないかな…そんな人いないかな)。そういう方は、カトリックのミサがどういうものなのか、ちょっとでも予備知識を得てから参加された方がいいような気がします。

 当初わたしにはけっこう新鮮だったので、ちょっとミサというものの紹介をしてみようと思ってこの記事を書いています。

わたしは高校生の頃カトリックの洗礼を受けましたが、これはあまり一般的なケースではありません。カトリック教会の未成年者や青年の多くは、親が信者で、子どものころに幼児洗礼を受けています。そのため、幼少時から家族と一緒にミサに親しんでいるのが一般的です。

わたしが初めてミサに与ったのは高校1年生のときで、なにも予備知識がなかったので、あまりにもちんぷんかんぷんで、まったくついていけませんでした。カトリックの家庭でもなく、そういう学校に通っていたわけでもなく、まったくの単独行動だったので。

現在のカトリックのミサは、その国の母国語で行われることになっているので、日本では日本語で進行しますが、儀式的な側面がわりと強く形式的です。これはミサに馴れると麻痺するのですが、わたしはそう思います。

言語こそ各国で違いますが、毎週日曜の主日のミサの式次第は、全世界共通で予め決まっています。わたしには、この普遍性からくる安心感のようなものが好ましかったので、ちんぷんかんぷんでも毎週通うことが苦ではありませんでした。

一般的な主日のミサの所要時間はだいたい1時間強で、最初から最後までほぼ歌で進行します。聖書の朗読や司祭の説教などは聞くだけですが、全体を通して、皆で歌ったり唱和したりするパートが大半です。要所ごとの聖歌(キリエやグロリアなど)は、各教会で決まったものを歌うことが多く、その教会の信者は暗譜しています。だから知らないとついていけないのですが、数ヶ月通えば歌の順序も歌詞も全て覚えます。

ここまで書いていて、やはり見たことがない人には意味が分からないだろうなとますます思います。一般的な主日のミサの式次第を書き留めておきます。

「歌」とつくもの以外も、大半が決まった音程で伴奏とともに唱和されます。「主はみなさんとともに」「また司祭とともに」「アーメン」などの、何度も繰り返されるかけ合いも同様です。朗読と説教は聞くだけ。

明日の教皇ミサはこれとは異なる部分があります。

 

  • 開祭

入祭の歌→入祭のあいさつ→回心→あわれみの賛歌(Kyrie=主よあわれみたまえ)→栄光の賛歌(Gloria=天のいと高きところには神に栄光)→集会祈願

 

第1朗読→答唱詩編→第2朗読→アレルヤ唱→福音書朗読→説教→信仰宣言→共同祈願

 

奉納の歌→献金→パンを供える祈り→葡萄酒準備→カリス(杯)を供える祈り→清め→奉納祈願→叙唱前句→叙唱→感謝の賛歌(Sanctus=聖なるかな)→第二奉献文→記念唱(第二奉献文)→栄唱

 

  • 交わりの儀

主の祈り→副文→教会に平和を願う祈り→平和のあいさつ→平和の賛歌(Agnus Dei=神の子羊)→拝領前の信仰告白→拝領の歌→聖体拝領→拝領祈願

 

  • 閉祭

お知らせ→派遣の祝福→閉祭のあいさつ→閉祭の歌

 

 

秘密

タイトルは清水玲子先生の少女漫画のタイトルです。

わたしは漫画(少女漫画)がわりと好きなのですが、「ポーの一族」の記事でも少し書いたように、ここ20年以上ほとんど触れることもなく遠ざかっていました。

ところが漫画も、電子版というものの恩恵で、娘を寝かせた後の真っ暗なベッドでも楽しめます。とても便利。

そのおかげというかなんというか、この夏、清水玲子先生の「秘密」を読んでハマりましたので、そのことについて熱く語ります。

清水先生といえばベテランでいらっしゃいます。「輝夜姫」「月の子」ジャックとエレナシリーズなどが代表作です。

中学?高校生ごろ?にリアルタイムで「輝夜姫」をLaLaで立ち読み(←)していました。20年前ぐらい。

清水先生って絵が本当に綺麗で、カラーなんてもう溜息しか出ない、そんな作家さんです。今も20年前と画が変わっていません。

輝夜姫」も「月の子」も、SFで発想が抜群にシュールで、物語のスケールが壮大で面白いのだけど、展開とオチに妙な突っ込みどころがある印象(すみませんごめんなさい)で、これまでそれほど読み込んだ作品がありませんでした。

あ、でも「22XX」はすごいです。泣きました。

ところが今さら、20年も経って、こんなにどっぷり浸かれる漫画に出会うなんて、我ながらびっくりです。

「秘密」ってもう20年近く描かれていて、「輝夜姫」の終盤時期にはもう連載が始まっていたようです。

アニメにも実写映画にもなっていたのに、全然知りませんでした。勿体ないことをしました。アニメも映画も評価が散々なので見ませんが。

この作品は、死者の脳から記憶を映像として再現できるという設定の、近未来の日本警察を舞台にしたSFサスペンスです。

ちょっとグロくて、展開や設定に細かい突っ込みどころはあるのですが…なんか…読ませるんです。盛り上げ方、読者の引き込み方が清水先生ならでは。細かいところすっ飛ばしても読み止められない中毒性があります。やはりお上手というか職人技というか、さすがです。

サスペンスといっても、事件の謎解きよりも登場人物の心情や社会的なテーマに重きが置かれています。

人間の弱さ醜さ美しさを重苦しいテーマにのせて、美しい画と独特の展開で、ドラマチックかつ抒情的にお届け。そんな作品です。基本的にどのストーリーも切なく、読後は「……」となります。

清水先生の作品はどれもわりと後味が悪く、「秘密」も例外ではないので、そこは好みが分かれるところかもしれません。

そして主人公が、おばさんには堪らない麗しさ。そこは少女漫画です。東法卒の警察官僚で、突出した頭脳の持主で、未成年にしか見えない美貌の中年で、モデルはhydeだそうです。ぴくっときた方は即読みましょう。

もう一人の主人公(?)は、イケメンなのかモブ顔なのか微妙な、こちらもキャリアのアラサー警察官(雑…)です。

薄い本が沸く要素も巧みに散りばめられており、いろんな楽しみ方ができます。こういうところも清水先生は天才的…。

好みもあるでしょうが、20年近く続いていながら、わたしのような新規読者を獲得し続けている作品なので、未読の方はぜひ。

ピアノのこと②

娘のピアノの発表会が明後日です。

先日リハーサルのようなものがあり、他のお子さんの演奏も少しだけ聴く機会がありました。

娘が通う教室は、主催の先生もまだお若く、生徒さんの大多数が未就学か小学校低学年ですが、この子たちは今後どのように成長していくのかなーとつらつら考えながら聴いていました。

そして、自分が子どもの頃はどんなだったのかなー、とふと思って、自分が昔、発表会で弾いた音源(カセットテープ)を、業者に依頼してCDにコピーしてもらいました。家にカセットテープの再生機器がないので。

カセットテープは合計6本あって、録音の年月日が明記されていないものもあり、記憶も曖昧ですが、おそらく

小学校1年生、2年生?、中学1年生、2年生、3年生、高校2年生

の時の演奏だと思われます。

CDが昨日送られてきて早速聴いてみました。

音質はテープによってバラツキがありましたが、ホールの専用マイクできちんと録音されたものは、販売されているCDと遜色ないぐらいクリアな音で録れていました。

たぶんこれらを聴くのは初めてか、聴いたことがあったとしても25年ぶりぐらい。当時は常に自信がなかったので、自分の演奏の録音なんて聴きたいと思いませんでした。

ところがいま、全部聴いてみて、思っていたよりだいぶレベルが高くてぎょっとしました。最近またピアノを触るようになったけれど、とくに中学生時代の演奏などは、今では絶対に弾けない水準です。よく頑張っていたんだな。。。とそのころの自分を褒めてあげたい。

そして、すごいのは当時の先生の指導です。聴いていて本当に頭が下がる思いがしました。今更ですけど…よくここまで仕上げてくださったものだと。

わたしは小・中・高でそれぞれ先生が変わり、合計3人の先生に習いましたが、そういえば、中学時代の先生が一番好きで尊敬していました。

当時のわたしはピアノに対して受け身で、発表会の曲名も忘れていたぐらい愛着もなく、先生が決めた曲を粛々とこなすタイプだったと記憶しています。そんな消極的な生徒に、1曲とはいえ、人に聴かせるクオリティを要求するのは力のいることだったでしょう。

娘は、通っている教室の都合で毎年先生が変わっていて、今の先生がすでに3人目ですが、このままこの教室に通っていていいのか、正直迷うところです。

ピアノの先生って、相性もあって難しいですが、たとえば、小さい子どもにとっては、先生自身の演奏技術や経歴などよりも、教え方や接し方がなどが大切であるように言われます。でも、自分の経験を遡ってみると、先生の技術や経歴は(出身大学も含め)、熱意や要求水準に比例するというか、やっぱり無視できない要素だと感じます。

娘はまだ小さいし、そこまでピアノに力を入れるつもりもないので様子見ですが、先生って大切だな、と自分の昔の演奏を聴いて改めて感じたのでした。

 

音源忘備録

クーラウ「ソナチネOp.20No.1」:6歳?

モーツァルトソナタkNo.310」:7歳?

メンデルスゾーン「甘い思い出」「狩人の歌」:13歳

ウェーバー「ロンド・ブリランテ」:14歳

ショパン「華麗なる変奏曲」:15歳

ドビュッシー「喜びの島」:16歳?

娘帰る

昨日の夜遅く、娘とともに大阪の実家から横浜の自宅へ帰ってきました。

娘は長い逗留でした。わたしは娘を迎えに行ってそのまま、お盆含め5日ほど実家でダラダラしましたが、それまでの約3週間、お一人様を横浜で満喫させていただきました。娘は、母ばかりか弟一家にも、大変たいへん世話になりました。

わたしには弟が2人いますが、上はもう15年ほどパリに住んでいて、夏の間だけ家族4人で帰国し、母の家と、嫁実家を行ったり来たりします。甥っ子(娘の従兄弟)が2人いて、上の子がうちの娘と同い年です。この2人がとっても仲良しで、娘はわたしの存在などほとんど思い出しもせず、毎日パラダイスのように過ごすことができます。

旅行もキャンプも、全て母と弟と弟嫁に丸投げです。夏休みの大量の宿題も、大阪でほぼ終えて帰ってこれました。なんともありがたく、こんなに楽していいのかとちょっと恐ろしくなるほどです。

でも来年もぜひ宜しくお願いしたいです。

 

さて、今日は1ヶ月ぶりの娘のピアノのレッスンで、まあ予想どおりの有様でしたが、そのあと、先週入会したピアノサークルの練習会に娘も連れて行ってみました。

パパは仕事だし、まだスーパーの買い物以上の留守番はさせたことがないし、娘もちょっとグランドピアノを弾かせてもらえるかもしれないし、ということで。

音楽室のような場所で、勉強道具とおやつと楽譜とともに、がんがんピアノが鳴るなか3時間ほど滞在しました。娘が飽きたら退場かなと思っていましたが、なんだか楽しかったようで、わたしが弾いている間も、とくに他の方のご迷惑になることもなくまったり過ごしていて、終了時刻まで留まることができました。

皆さんの素敵な演奏に触発されたのか、自分も弾く!と言いだして、ちょっと練習もさせてもらえました。

これはいい!ということで母は味をしめたので、また連れていこうと思います。机があるので宿題も済ませられて一石二鳥です。

まあ、案の定、娘が帰ってきてわたしの自宅練習時間はまったくなくなったので、練習会に参加できてもひどい演奏を披露することになりますが…

 

そろそろ娘の夏休みも終盤です。

発表会が近く、ピアノのレッスンをこれ以上休めないので横浜に連れ帰りましたが、小学校が始まるのは8/27で、今週は娘の預け先がありません。

学校併設の学童は、就労家庭区分にしていないため長期休暇中は預けられず、週2回預けている英会話の学童は今月は休会扱いにしています。

明日からの1週間は、在宅と有休とパパで凌ぐ予定です。

そして、自由研究…最難関を残してしまっています。どうしよ。